麺をぱりっとした食感に焼き上げる焼きそばが看板商品。ウスターソースとしょうゆに、うま味のあるいり粉だしを加えた特製ソースで仕上げる。1月に八丁堀内で移転。4月で開業10年に。大分県の焼きそば専門チェーン「想夫恋」で修行した下方智樹店主は、
「九州出身者の来店も多く、ありがたい。ソースに加えるだしは鶏がら、シイタケ、トビウオなどを試し、今の味にたどり着いた。これからも改良を続ける」
昼は焼きそばがメインだが、夜は日本酒好きが集う酒場となる。燗かん酒に合う銘柄を中心に約20種類を常備。定番に日替わりメニューを加えた約50種類のメニューを、中心価格帯350円で提供。無農薬野菜を契約農家からお任せで仕入れ、それに合わせてメニューを組むなど一品料理にも手を抜かない。日本酒が進む料理と〝締め〟の焼きそばを目当てに、政財界に常連客は多い。
「皆さんにおいしいと言ってもらい、楽しんで帰ってもらえることが何よりうれしい」
昨年の春先に広島ドラゴンフライズの浦伸嘉社長とスタッフの方が廿日市商工会議所に来所され、いろいろお話を伺ったのがきっかけで、興味を持ちファンになりました。同チームのモチーフは宮島に生息している絶滅危惧種のミヤジマトンボ。シーズン開始前にはスタッフや選手が厳島神社に必勝祈願に行くなど、廿日市市にゆかりのあるチームです。同じ地で事業を営む者として、ぜひ強いチームになっていただきたいと、同年にパートナー企業になりました。今後、さまざまな面から協力したいと思っています。
私自身、中学・高校時代にバスケ部に所属。あまり強いチームではなかったのですが、日々の練習の中で培ったチームワークは今でも宝物です。
チーム全員を応援していますが、特に朝山正悟選手は39歳という年齢にも関わらず、ここぞという時にファインプレーを見せてくれ、勇気をもらいます。また、トーマス・ケネディ選手のアグレッシブなプレーにいつも魅了されています。
昨年はコロナ禍もあり、3回しか観戦できませんでしたが、少なくとも毎月一回は見に行きたい。社員にも応援してほしいとの思いで、チケットを準備して配っています。現在の順位は振るいませんが、選手の成長やスタッフの指導でまだまだ良い戦いができると思います。昨年11月にはケネディ選手の帰化が承認されたので、今後強力な外国籍選手が入り、チームを引っ張っていってくれると期待しています。いつかB1でも優勝し、子どもやファンに夢を与えてほしい。
わが人生の主題をどう捉えるか。誰しも迷うことが多いが、ネッツトヨタ中国(西区庚午中)社長の槙本良二さん(60)は実に明快である。日々是感動。人生は思い出づくり。それが私の信念です、と言い切る。
今日までの歩みもなかなか興味深い。広島大学付属中・高等学校から東京大学経済学部へ。卒業後、東京海上日動火災保険に入り、企業担当営業、自動車ディーラー担当営業を15年余り。大きな転機が訪れた。上司から「ネッツトヨタ中国の将来の幹部にという話がある。どうか」と問われて、3秒熟考し「広島で頑張りたい。チャレンジさせてほしい」と回答。実に明快である。その後、現在の卜部典昌会長との面接を経て、2011年に同社に入り、15年から社長を務める。先頭に立って社員250人を引っ張るが「私は社員の応援団長」を自認している。
中学1、2年と学級総代に選ばれ、3年は協議会議長、高校1年は総代、2年は書記局長を務めた。生徒会活動などを通じて人の世話をするのをいとわなかった。昨年7月には全国1万2000人の同窓生を有する広島大学付属中・高等学校同窓会「アカシア会」の会長に就任。世話好きは母親譲りなのか、こんなエピソードがある。
「中学3年の遠足だったと思うが、故郷の白木山に登ることになり、母が40人全員分の計80個のおはぎを作り、持たせてくれた。みんなから大いに喜んでもらった記憶がある。いつの間にか、人のためにお手伝いする喜びを培っていたのかもしれない」
高校1年の体育祭で応援団員を経験。エールで人を応援する魅力にとりつかれて、そのまま応援団に入団した。大学でも応援部に入り、4年時には応援団長を務めた。
「運動部の仲間を中心に東大はもちろん、東京六大学応援団、京大などにも多くの友人ができた。私の宝になっている。毎年の六大学応援団の同窓会には35年間かかさず参加している。応援団はエールで母校の同窓生の心をひとつにし、結束を強くすることが役目と心得ている。都合がつけばどこへでもはせ参じてエールを送る所存。同窓の湯崎英彦知事の出陣式でも過去3回エールを送り、拍手喝采。これからも皆さんが幸せになっていただけるよう、応援道を極めたいと思う」
人との出会いや縁を大切にしており、小学校の友人から仕事で出会った人までプラベートで送る年賀状は毎年1200枚を超える。
「本や映画、人との出会い、道端に咲いた花、夕焼けなど日常には多くの感動があふれている。その感動はやがて思い出となり、人生を通じていかにたくさんの思い出づくりができるかが、私の生きる指針になっている。社員の小さな頑張りを見逃さないよう、感謝と激励のために毎週土日に県内17拠点を回り、暑い日も寒い日もひたすら頑張っている社員1人1人に声を掛けるようにしている。これからもみんなの応援団長として多くの人から喜ばれる会社をつくっていきたい」
日々、感性を研ぎ澄ませ、小さな感動を見つける。その積み重ねが素晴らしい人生につながると言い切る。心に感謝があるから、その言動も爽やかなのだろう。